性の多様性について考えてみよう 性的指向と性自認

ページ番号1002445  更新日: 2025年3月13日

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北区では、人権を尊重し、多様性を認めあう地域社会をめざしています。
人の年齢・生活習慣・人生観などは多様であり、一人ひとりに個性・特徴があります。
人の性的指向や性自認なども多様であり、一人ひとりに様々な性のあり方があります。

性は多様です。このため、これから紹介する用語だけですべてをあらわすことはできません。大切なことは、多様な性について知り、一人ひとりの性のあり方を尊重することです。

北区では、基本的用語として、「SOGIE」と「LGBTQ+」を用いています。

性(セクシュアリティ)に関する用語

SOGIE(ソジー)とは、性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Gender Identity)、性表現(Gender Expression)を組み合わせた用語です。すべての人の性のあり方(セクシュアリティ)に関わる言葉です。

LGBTQ+とは、「Lesbian」(レズビアン、女性同性愛者)、「Gay」(ゲイ、男性同性愛者)、「Bisexual」(バイセクシュアル、両性愛者)、「Transgender」(トランスジェンダー、出生時に診断された性と自認する性の不一致)、「Queer」(クイア、特定の枠に属さない性のあり方)または「Questioning」(クエスチョニング、自らの性のあり方を決めない人、定めない人)「+」(プラス、性のあり方は多様であり、上記以外のすべての性のあり方を表す包括的な意味)の頭文字をとったものです。

多様な性について、4つの構成要素を通じて考えてみましょう

1 身体の性

性に関する身体的・生物学的特徴のことです。

2 性自認・自認する性(心の性)

自分の性をどのように認識しているかということです。

3 性的指向・好きになる性

どのような性別の人を好きになるか、好きにならないかということです。

4 性表現・表現する性

言葉づかい、服装、しぐさなどから見る社会的な性別をどう表現しているかということです。

LGBTQ+の当事者が困っていることとは、どんなこと?

  • 家族の理解が得られず、家から追い出された。
  • 「おかま」「ホモ」「レズ」「気持ちが悪い」など、侮蔑的な言葉を投げかけられ、自尊感情が深く傷ついた。
  • カミングアウトしづらく、心から打ち解けられる友人ができない。
  • 子どもの性自認や性的指向の困難を周囲に嘲笑され、本人だけでなく家族全体が地域から孤立した。
  • 解雇や内定取り消しをされたり、辞職を強要されたりした。
  • 家族の定義に同性パートナーが含まれず、手当や慶弔休暇などの制度利用を拒否された。
  • 制服・更衣室・トイレ・社員寮などで男女分けがあり、戸籍性でしか利用できなかった。
  • 見た目の性と性自認が不一致なため、トイレや更衣室が利用しにくい。
  • 同性カップルであることを理由に入居を拒否された。
  • 居住地域で差別的な噂を流されたため、メンタルヘルスが著しく悪化した。
  • 男女分けされた病室に、性自認に沿って入院できない。
  • パートナーが入院したが、病室での付き添いや看護をさせてもらえなかった。

よくある質問・疑問

Q.同性愛って病気なの?

A.病気ではありません。医学的にも、異常でないことが明らかになっています。過去には病気と捉えられていた時期もありますが、WHO(世界保健機関)は、1990年に「国際疾病分類」の中から「同性愛」を削除しています。

Q.性同一性障害とトランスジェンダーの違いって?

A.「性同一性障害」は、トランスジェンダーの人が外科的な治療(性別適合手術)を望む場合などに必要となる医学的な診断名です。WHO(世界保健機関)は、2019年に国際疾病分類で性同一性障害を「精神障害」の分類から除外し、「性別不合(仮訳)」としたことにより、病気や障害でなくなりました。

Q.どの性別の人を好きになるか、自分の性別をどう思うかは本人の意思で変えられるものではないの?

A.性的指向や性自認は、異性愛の人や自分の性別に違和感のない人と同じように、本人が選んだり、決めたり、変えられるものではないと考えられています。

SOGIEを理由とする不当な差別的取扱いは、東京都の条例で禁止されています

「いかなる種類の差別も許さない」というオリンピック憲章の理念の浸透を目的に成立した東京都の「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重理念実現のための条例」では、「都、都民及び事業者の性自認及び性的指向を理由とする不当な差別取扱いの禁止」を定めています。

LGBTQ+は「いない」のではなく、「見えていない」だけです

LGBTQ+の当事者は、10%近くいる(株式会社LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2019」より)と推定されています。LGBTQ+の当事者の中には、性的指向や性自認をカミングアウトして「自分を偽ることなく生きたい」と思っている人が多くいます。一方で、「カミングアウトすると、これまでの人間関係が崩壊してしまうのではないだろうか」と悩み、カミングアウトできない人もいます。

カミングアウトについて

カミングアウトとは、本人が、LGBTQ+の当事者であると他人に伝えることを言います。

社会の差別・偏見や周囲の無理解から自分のセクシュアリティを隠さざるを得ない状態を「クローゼットに押し込まれている状態」(in the closet)にたとえ、カミングアウトとは、そこから出る(Coming out of the closet)という表現からきています。

アウティングについて

アウティングとは、本人の承諾なく、その人の性的指向や性自認について他人に暴露することです。

口頭で話すだけでなく、SNSなどの情報媒体から情報を流す行為もアウティングにあたります。また、善意のもとで行われたことであっても、LGBTQ+の当事者が意図しないところで、当事者のセクシュアリティが知られてしまった場合もアウティングになります。絶対にやめましょう。

今日からできること

LGBTQ+の当事者に対するいじめ・差別・偏見は、人権問題です。まずは、多様な性があることを知り、これまでの習慣や常識を変えることが大切です。そして、もし困っている人がいたら、どうすればよいかを一緒に考えてみましょう。

  • LGBTQ+の当事者であることを理由にいじめたり、笑いのネタにしたりしない
  • 自分のまわりにLGBTQ+の当事者がいるかもしれないと思って行動する
  • 「彼女はいるの?」「どんなタイプの男性が好き?」など、相手の性的指向を決めつけるような質問はしない

北区の取組み

令和2年4月から令和7年3月を計画期間とする北区男女共同参画行動計画「第6次アゼリアプラン」の中で「性の多様性の理解促進」を課題の1つとして位置づけ、区民の皆さんに性の多様性に関する正しい理解と知識を身につけていただくため、講座・パンフレット・情報誌などによる啓発や情報提供を行っています。また、性的指向や性自認に関する悩みに寄り添うため、「にじいろ電話・法律相談」などの相談を実施しています。

詳しくは、下記の関連リンクの北区男女共同参画行動計画「アゼリアプラン」からご覧いただくことができます。

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